<大阪ダブル選>都構想に苦慮…「橋下人気」すり寄る民・自

大阪府知事・市長のダブル選の投開票から一夜明けた翌日、
大阪府連レベルで「大阪維新の会」の対立候補を支援した民主、
自民両党はコロっと態度を変えて、
橋下徹新市長、松井一郎新知事を評価する発言を公に行なった。

自民党石原伸晃幹事長は、
大阪市内で開かれた同党の現職衆院議員のパーティーを何軒も訪問。

「(選挙結果を)重く受け止め、当選した2人を応援させていただく」

公然と橋下氏らを持ち上げる石原氏。我々から見ればみっともない限りである。
特に東京都知事石原慎太郎氏は父親であり、元々橋本氏支持である。
また、次期衆院選大阪14区からの立候補を予定している谷畑孝氏は、
「橋下新市長はやっぱりえらい男や」と宣う始末。

一方橋下氏は27日夜の記者会見で、ダブル選で公約した、
大阪都構想」の実現へ既成政党に連携を呼びかけた。
協力しない近畿圏の議員の選挙区には次期衆院選で、
対立候補を擁立するという以前元小泉首相が行なった手法を行うらしい。

それを聞いた石原幹事長は、早速、大阪に乗り込み、
「寛容な心で受け入れればいい」と協力姿勢を鮮明にした上、
自民党谷垣禎一総裁も、名古屋市の講演で、
「十分研究する必要がある」と語っている。

民主党はと言えば、野田政権側も藤村修官房長官が28日の記者会見で、
政府として橋下氏との協議に「要請があればもちろん受ける」と、
積極姿勢を示し選挙前とは様変わりの様子だ。
次期衆院選を考慮して「橋下人気」にすり寄る2大政党だが、
実際に大阪都構想を具体化するということは、
既存の地方自治制度を根底から覆すほどの大作業。
橋下氏が既成政党の対応を見極めるとして切った期限は「12月末まで」。
その短期間に結論を出すのは不可能に近い。

自民党大島理森副総裁は28日、
「具体的設計が明確でなく、論評は困難」とコメントしており、
同党幹部は「発言内容を幹部によって使い分けるようにした」と、
橋下氏を敵に回さないよう神経を使っている実情を明かした。

自民党民主党共に都合のいい判断をその場その場で使い分ける、
お粗末な結果といっていいだろう。