<突風>「竜巻見えた」…つくばの住民、恐怖の瞬間

自然の猛威は凄まじいものであると改めて感じた。
竜巻と見られる突風で、茨城県つくば市北条地区ではけが人が相次ぎ、
建物の被害が集中した。人的被害・物的被害の両方が起こった。
住民らは「ゴーというものすごい音がした」
「壊れた建物の一部が空に巻き上げられていた」
等の竜巻・突風の恐ろしさを振り返り語っていた。

最も大きな被害を受けたつくば市北条地区であるが、
つくばエクスプレスつくば駅や市役所などが集まっている、
同市中心部から北に約10キロ離れた場所に位置する。
住民の話によると、突風は同地区の南の方向から商店街に近づき、
東向きに進路を変えて商店街を縦断したということだ。

同商店街の西端で酒店を経営する男性(70)によれば、
竜巻の発生前には、雷が鳴りひょうが降り出したと証言がある。
男性の詳しい話によると、
「雨がやんだと思うと、ザーッという大きな音がした。
家族から竜巻が見えるよと言われて家の外に出てみると、一瞬、
茶色い竜巻が東へ進んでいるのが見えた」と語っている。

酒店のさらに西側に住む主婦(70)は、
「直径2センチくらいの大きなひょうが降ってきて、
珍しいなと思って外へ出たら、南の空が黒くなって、
下に白っぽい竜巻が見えた」と話している。
女性の話によれば、竜巻は南から北上していたが、
北上途中で進路を東に変えて中心部に向かったという。
女性は「ものすごい土煙で、ゴーッという音がした」と様子を話した。

被害が集中した地区から南西約1キロに住む男性(63)は、
ヘリコプターが飛ぶような大きな音を聞き外に出てみると、
南の方角に紙くずのようなものを巻き上げながら近づいてくる、
竜巻が見えたという。
幸いこの男性宅には被害はなかった。
しかし、周囲のちりなどを激しく巻き上げながら、
1分間くらいで通過していったということだ。

突風が直撃した場所から東に約100メートルの場所で、
靴店を営む女性(58)によると、
「ゴオーッという音がしたので外を見た。
富士山を逆さまにしたような大きな茶色のものが迫ってきた」
と証言している。
「グルグルと木材や建物の破片のようなものが舞っていた。
慌てて店の電動シャッターを閉めようとしたが、
停電のため途中で止まってしまい、ガラス戸を閉めて家の中に避難した」と恐怖の瞬間を振り返った。