<東日本大震災>首相が被災地復興誓う…政府主催追悼式

もう1年経ったんですね。昨日のことのように感じられます。
1万5854人の命を奪った東日本大震災から1年を迎えた11日、
政府主催の追悼式など日本各地で慰霊の祈りがささげられた。
式典会場で、仮の住まいで、津波に襲われた海岸で、
放射能汚染に追われた先で、人々は愛する人を悼みながら、
前を向いて生きていくことを誓った。

政府主催の追悼式は東京都千代田区国立劇場で開かれた。
野田佳彦首相ら三権の長天皇、皇后両陛下、
犠牲者の遺族ら約1200人が参列。
国歌斉唱後、地震発生の午後2時46分から1分間黙とうし、
死亡者の冥福を祈り、行方不明の3155人のことを思った。

首相は「亡くなった方々の御霊に報い、ご遺志を継ぐために誓う」として、
復興の一日も早い達成▽震災の教訓継承▽国民が助け合いと感謝の心、
を忘れないことの三つを挙げた。

続いて天皇陛下が、
「国民が被災者に心を寄せ、被災地の状況の改善へ、
たゆみなく努力を続けていくよう期待しています」と述べた。
4日に退院してから初の公務で、体調を考慮し約20分で退席した。

参列した遺族は34人で、代表して岩手県大槌町川口博美さんと、
宮城県石巻市の奥田江利子さん、福島県相馬市から神奈川県に避難中の中学生、
村岡美空さんが思いを語った。
津波で母と妻、4歳の孫を失った川口さんは、
「今もあの時を思い出すと涙があふれるが、
一歩ずつ古里の復興に向けまい進する」と決意を示した。

岩手県は、県内最多の1700人以上の死者・行方不明者を出した、
陸前高田市で市と合同追悼式を開き、3000人超の遺族らが参列した。
津波で両親を亡くした菊地将大さんが代表して、
「失った大切な人たちの分まで精いっぱい生きていきたい」と誓った。

宮城県では、津波被害を受けた沿岸15市町が追悼式や慰霊祭を開催した。
村井嘉浩知事は3735人の死者・行方不明者が出た石巻市の追悼式に出席し、
「犠牲者の無念を心に刻み、宮城を次の世代に引き継いでいく」と述べた。

福島県は追悼式とシンポジウムを開き、
高校生が「あの日を境に消えた、
活気あふれるあの町はよみがえるのだろうか」とつづった詩を、
女優の小雪さんが朗読した。
佐藤雄平知事は原発に依存せず復興を誓う「ふくしま宣言」を発表した。