殺された妻、水産物冷凍庫に10年間放置か

空恐ろしい事件が発覚してしまった。
この女性は一体どんな10年間を送っていたのだろう。
思念というものが存在すればの話だが、仏教で言う成仏はできていないだろう。

北海道釧路市の水産加工会社の冷凍庫から女性の遺体が見つかった事件で、
女性は2002年4月頃に殺害され、その後10年間、
冷凍庫内に放置されていた可能性が高いことが、
捜査関係者への取材で分かった。
わからないのは水産加工会社であり冷凍庫は頻繁に使うであろうに、
その間気付く人がいなかったということだ。

殺人容疑で逮捕された女性の夫で同社社長の山田政市容疑者(80)は、
殺害時期などについて曖昧な供述をしており、道警は裏付けを進めている。
容疑者が既に80才の高齢であることから、
曖昧になるのはしょうがないと思うが科学的方法を用い、
事件の解決をすることが女性への供養となるのだろうと思う。

発表によると、遺体で見つかったのは山田容疑者の妻で主婦瑠美子さん。
瑠美子さんは存命なら現在は71歳になる。
ということは推定10年であるから61歳時に殺されたことになる。
さぞや無念であったろう。

捜査関係者などによると、山田容疑者と瑠美子さんは、
家庭の問題などを巡り口論になることが多く、夫婦仲は良くなかったという。
02年4月頃に瑠美子さんの姿が見えなくなり、
家族や親戚らが何度も尋ねたが、
山田容疑者は「失踪した」「沖縄に行った」などと説明。
家族に対し「捜索願を出しておくから」と話していたが、
実際は出されていなかった。
当時の状況からは夫婦の不仲から何らかのきっかけで瑠美子さんが殺され、
自社の冷凍庫に死体を隠したのだろうか。
家族や親戚が何度も尋ねたというところから、不仲は知っていたのだろう。

道警では、瑠美子さんが行方不明になったのとほぼ同時期に、
山田容疑者と自宅で口論となり、
瑠美子さんはその場にあったひもで首を絞められ殺害されたとみている。
瑠美子さんの遺体は、死後間もなく冷凍庫に運ばれた可能性が高く、
遺体が段ボールに入れられて奥の床に置かれていたことから、
長年にわたり見つからなかったらしい。
口論の末の衝動的な犯行のようだが、その後冷凍庫にいれ、
またダンボール箱に入れるという行動は冷静さを感じる。

瑠美子さんの弟が28日午前、
「数年前から連絡が取れない」と釧路署に相談に訪れ、
山田容疑者から事情を聞いたところ殺害を認め、供述通り、
山田容疑者の経営する会社の冷凍庫から遺体が見つかった。
肉親の思う気持ちが彼女を冷凍庫から救い出したのだろう。
いくら秘密を守り通しても時効がなくなった今、
死ぬまで抱える罪の意識から解放されたのではないか。

道警は釧路署に捜査本部を設置。
30日以降、遺体を司法解剖して死因を調べるほか、死亡時期の特定を進める。
ご冥福をお祈りする。